■Kリーグ強豪の取材で「車体」まで捜索
逆に、「えっ、こんなところで!?」と思うほど厳重な手荷物検査を受けたのは、韓国の水原山星(スウォン・サムソン)ブルーウィングスのトレーニングの取材に行ったときのことでした。
水原三星は1995年に創設されたクラブで、企業丸抱えが多かった韓国Kリーグの中でいち早く経営を近代化。クラブハウスなども韓国で最も早くから整備され、多くのサポーターを抱える韓国を代表するクラブでした(2023年にはKリーグで最下位となって、今年はなんとK2リーグで戦っています)。
その水原三星の取材に行ったのですが、正門で乗っていたタクシーが止められました。「手荷物検査」という生易しい検査ではありませんでした。タクシーの荷台から車体の下部までくまなく捜索されてしまったのです。映画の一シーンのようでした。
もちろん、これはトレーニングの秘密を守るためではありません。実はトレーニング施設は親会社である三星電子の敷地内にありました。世界の半導体市場に打って出ようとしていた当時の韓国。その最先端企業だった三星電子の企業秘密を、産業スパイから守るためだったの検査だったのです。
韓国のクラブは、取材に対して非常に鷹揚で、金浩(キム・ホ)監督も温かくも変えてくれたのですが……。グラウンド上でトレーニングを指揮していたのは、現在、山東泰山足球倶楽部の監督をしている崔康熙(チェ・ガンヒ)でした。