■坂本が明かした悔しさ
今のガンバの陣容を見ると、30代の倉田秋や宇佐美貴史、一森純が依然として重要な役割を果たしていて、次世代のスターがまだまだ育っていない印象も少なからずある。今季セレッソ大阪から加入した鈴木徳真や山下諒也、山田康太ら移籍組は非常に献身的な仕事ぶりを見せ、チームを支えたが、やはり若い世代の台頭は急務のテーマだ。
今季序盤は唐山翔自(熊本)らも戦力となっていたが、シーズン途中にレンタルに出され、最終的には21歳の坂本と22歳の半田陸、美藤倫くらいしかメンバー入りしていなかった。やはりフレッシュな面々がどこまでブレイクできるかが、今後のチームの命運を大きく左右しそうだ。
「初めて決勝の舞台に来て、他の試合よりも、この決勝の舞台で負けるっていうのはすごい悔しくて、またここに戻っていきたいと思った。次は絶対、タイトル取りたいなっていう気持ちが負けてすぐに出てきたので、その悔しさを残りのリーグと来年に生かしたいと思います」
坂本は語気を強めたが、それはチーム全員が感じたことに違いない。この日、ラスト数分の出場にとどまった岸本武流、美藤、出番のなかった福田湧矢らを含め、彼らの底上げ、選手層の拡大があって初めて、2025年は本当の意味でJリーグタイトル、天皇杯やYBCルヴァンカップ制覇を本気で狙える集団になるはずだ。