長谷川健太監督(現名古屋)が指揮している2015年の天皇杯以来、10年ぶりのクラブタイトルまであと一歩と迫りながら、ヴィッセル神戸に敗れたガンバ大阪。絶対的エース・宇佐美貴史が右ハムストリング苦離れで欠場し、彼への依存度の高さが改めて浮き彫りにはなったが、今季はチームとして前進した部分も少なくなかった。
その筆頭が21歳の点取屋・坂本一彩だろう。今季J1で8ゴールをマークしている彼は、天皇杯でも準決勝の横浜F・マリノス戦で延長後半ロスタイムに決勝弾を叩き出し、チームをファイナルへと導く大仕事をしてみせた。
「ずっと課題にしていたのは、足を振るっていうこと。それがここ最近、できていたから得点も増えてきましたし、天皇杯決勝でも意識していました。
いい調子で来ていたから、この流れで決めたいと思っていたけど、そこまで簡単な話ではなかったですね。やっぱりこういう大舞台でしっかり結果を残して、頼れる選手になっていかないといけない。チームを引っ張っていけるようなFWになりたいと強く思いました」とシュートゼロに終わった若武者は力不足を潔く認めたうえで、さらなる飛躍を誓っていた。