【異例の45分マッチが再燃させた、J1川崎の熱さ(2)】佐々木旭が説く「今日のような姿勢はこれからも貫いていくべき」の気持ち。三浦颯太に沸きあがった「僕も負けない」の画像
浦和レッズ戦でプレーする川崎フロンターレの佐々木旭 撮影:中地拓也

 雷雨による試合中止の余波で、空白期間が実に約3カ月間におよんだ22日の浦和レッズとのJ1リーグ第28節の後半を1-0で終え、前半とのトータルを1-1で引き分けた直後。55分に同点ゴールを決めたFW小林悠は悔やんでいた。

「エリソンに謝りました。可能性のあるクロスを入れたかったんですけど……」
 振り返った場面はアディショナルタイムの92分。浦和のパスミスに反応したMF橘田健人が、前線中央のFWエリソンへワンタッチで縦パスを通す。数人に囲まれながらボールを失わず、前を向いたエリソンが右サイドへパスを送る。
 フリーで走り込んできたのは小林。ゴール前の中央へエリソン、ファーへMF遠野大弥が詰める。MF家長昭博もエリソンの遠野の後方、こぼれ球を狙える位置をフォローしている。高まった勝ち越しゴールの予感は直後にため息へ変わった。
 クロスを放つ刹那に小林が体勢を崩し、蹴り損なったボールはゴールラインのはるか後方へ外れていった。小林が申し訳なさそうに、自身の体の状態を明かした。
「もう乳酸がパンパンで。最初から飛ばしていたので……」

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