■森保ジャパンの起用法の軸となる部分
田中個人はイングランドのチャンピオンシップ(イングランド2部に相当)という新たな環境で、非常に目立った活躍をしており、ステージが違うと言ってもリバプールでなかなか出番のない遠藤よりも、コンディション面では田中の方が上かもしれない。
しかし、ボランチの仕事として自分たちのところで、うまく関係を構築できていないと、これだけウイングバックやシャドーが入れ替わるチームに、中盤から安定感をもたらすことは難しい。
ここまで最終予選において、ボランチに交代があったのは7−0で勝利したホームの中国戦と5−0のバーレーン戦だけで、前者はすでに4−0になった状況で遠藤から田中、後者は試合の終盤に、守田に代わって鎌田がシャドーから下がる形を取った。それだけボランチは”森保ジャパン”の心臓であり、ボランチが安定していることが、ウイングバックやシャドーをフレキシブルに入れ替えられる条件となっていることが、森保監督の起用法からも伝わる。
守田と田中の関係も、試合を重ねていけば間違いなく改善するはずだが、予選突破が確定していない現在では勝利から逆算して現在のベストチームを組んでいくやり方を指揮官も変えにくいだろう。最終予選でまだ一度も出番がない藤田譲瑠チマであればなおさらだ。さらに言えば、ボランチを固定させているからこそ、ウイングバックとシャドーの組み合わせによる変化や効果が見えてきやすいというのもあるだろう。