後藤健生の「蹴球放浪記」第237回「全社開催地の近江で新たな発見」の巻(1)地域CL出場権をかけたダジャレ全開「不思議な大会」で準々決勝キックオフ前に「日本一の湖」への画像
「全社」のプログラム。「わたSHIGA輝く国スポサッカー競技リハーサル大会」と明記してある。提供/後藤健生

 蹴球放浪家・後藤健生は、サッカー取材で国内外を広く旅してきた。とはいえ、未踏の地もまだ残っている。そのひとつが、「近江の国」だ。第60回全国社会人サッカー選手権「全社」を取材しながら、琵琶湖のほとりで得た「新たな発見」とは…。

■大学生も参加「社会人サッカー大会」

 先日、第60回全国社会人サッカー選手権「全社」を観戦に行ってきました。

 この大会はJリーグやJFLに加盟していない社会人チームによる大会なのですが、実際には大学生のチームも(大学連盟のリーグ戦に参加していない場合には)参加できる不思議な大会です。実質的には、JFL昇格を目指すチームのための大会で、全国9つの地域リーグで優勝できなかったチームでも、この「全社」でベスト4に入れば、JFL参入プレーオフとも言える「地域サッカーチャンピオンズリーグ(地域CL)」=昔の「地域リーグ決勝大会」)への出場権が得られるので、それが一番の目的となっています。

 実際、今年はすでに四国リーグ優勝を果たしていたFC徳島以外の、ベスト4進出3チームが「地域CL」出場権を獲得しました。

 その「全社」の会場は滋賀県でした。

 というより、この大会は毎回、翌年の国民スポーツ大会(「国スポ」=旧国民体育大会)開催県でプレ大会として開催されるのです。大会プログラムの表紙にも「わたSHIGA輝く国スポサッカー競技リハーサル大会」と明記されていました。

 スタジアムで運営に携わる地元の人たち、とくに県庁や市役所の人たちにとっては、まさに「リハーサル大会」なのです。

 ちなみに「わたSHIGA輝く国スポ」というのが正式大会名です。

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