蹴球放浪家・後藤健生は、サッカー取材で国内外を広く旅してきた。とはいえ、未踏の地もまだ残っている。そのひとつが、「近江の国」だ。第60回全国社会人サッカー選手権「全社」を取材しながら、琵琶湖のほとりで得た「新たな発見」とは…。
■大学生も参加「社会人サッカー大会」
先日、第60回全国社会人サッカー選手権「全社」を観戦に行ってきました。
この大会はJリーグやJFLに加盟していない社会人チームによる大会なのですが、実際には大学生のチームも(大学連盟のリーグ戦に参加していない場合には)参加できる不思議な大会です。実質的には、JFL昇格を目指すチームのための大会で、全国9つの地域リーグで優勝できなかったチームでも、この「全社」でベスト4に入れば、JFL参入プレーオフとも言える「地域サッカーチャンピオンズリーグ(地域CL)」=昔の「地域リーグ決勝大会」)への出場権が得られるので、それが一番の目的となっています。
実際、今年はすでに四国リーグ優勝を果たしていたFC徳島以外の、ベスト4進出3チームが「地域CL」出場権を獲得しました。
その「全社」の会場は滋賀県でした。
というより、この大会は毎回、翌年の国民スポーツ大会(「国スポ」=旧国民体育大会)開催県でプレ大会として開催されるのです。大会プログラムの表紙にも「わたSHIGA輝く国スポサッカー競技リハーサル大会」と明記されていました。
スタジアムで運営に携わる地元の人たち、とくに県庁や市役所の人たちにとっては、まさに「リハーサル大会」なのです。
ちなみに「わたSHIGA輝く国スポ」というのが正式大会名です。