■「ACLのような大会はこういうことが起こりうる」
川崎は上海撃破に向けて4-2-3-1で試合に入った。しかし、開始5分でマルシーニョが退場したことで、システムを4-4-1に変更。以降、相手の攻めを受ける場面が続く。
「今日のゲームプランは、あの退場で崩れた部分もある」
脇坂がこう話すように、「ボールを握る」としていた戦い方を前半は捨てざるを得なかった。もともとのプランで挑めば、先に疲弊するのは川崎だ。守備の時間が多くなることは、受け入れなければいけなかった。
「ACLのような大会はこういうことが起こりうる」
脇坂は、試合全体を冷静に見ようとしていた。そして、後半、背番号14がチームに攻めのリズムを与えようと奮闘する――。
(取材・文/中地拓也)
(後編へつづく)