■「あまり驚きませんでした」

 目下、ジェフ千葉、ファジアーノ岡山ベガルタ仙台の勝ち点58の4~6位グループとの差はわずかに1。ラスト3試合で、残されているのはロアッソ熊本、水戸ホーリーホック、千葉という難敵とのゲーム。それを土居の力で勝ちに持っていくことができれば、鹿島を離れた意味も大きくなるだろう。
「このタイミングでポポヴィッチ監督が解任され、中後雅喜監督率いる新体制になるのなら、土居は残っていた方がよかったのではないか」という声も聞こえてくるが、本人は「いやあ…」と苦笑。古巣の指揮官交代も「あまり驚きませんでした」と淡々としていた。故郷に戻って3か月。土居は完全に山形の選手になったということなのだろう。
 それは鹿島を長年応援してきた人々にしてみれば寂しいことかもしれないが、一度しかないサッカー人生を後悔することなくまい進できているという意味で、彼自身にとってはポジティブだ。
 鹿島でできなかったチームメートとの阿吽の呼吸や息の合ったコンビネーションをディサロ燦シルヴァーノやイサカ・ゼインらと築き上げることができれば理想的。今後も力強く自らの道をまい進してほしいものである。
(取材・文/元川悦子)

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