■かつての「絶対王者」のあふれる気迫

 東京V対湘南戦の前日には、僕は町田GIONスタジアムでFC町田ゼルビア川崎フロンターレの試合を観戦した。

 J1初昇格の町田はずっと首位に立っていたが、前節は“首位決戦”でサンフレッチェ広島に敗れて首位の座から陥落。ヴェッセル神戸にも抜かれて3位に落ちたばかり。優勝戦線に残るためにも、連敗は絶対に避けたい試合だった。

 一方、川崎は「絶対王者」としてJリーグに君臨したのは過去の話。昨シーズンはJ1リーグ8位に終わり、今シーズンも32節まで終えた時点で12位と低迷していた。

 第32節ではアルビレックス新潟に対して5ゴールを決めて快勝したが、その後のAFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)の試合では、韓国の光州FCに敗れていた。

 スコアは0対1だったが、内容的にも完敗というゲームだった。

 だが、町田戦の川崎は、気迫にあふれていた。

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