■三笘薫が語るウイングバックでの手応え
また、自身の重要性も理解している。「僕のところで負けなければ、サイドで突破されることはないと思いますし、それだけ分かりやすいポジション。ウイングになったときには今までのようなプレーを、後ろでも1対1で負けなければ、基本的には一つのサイドから負けることはないと思うので、そこは相当、大事な役割だとは思ってます」と語るからだ。3バックの左の選手もいるものの、大外で張るのはウイングバック。三笘は攻守で重責を担う覚悟を自らに言い聞かせる。
また、現時点で右ウイングバックには伊東純也と堂安律のいずれかが入ると見られている。伊東も堂安も攻撃的な選手であることに違いはないが、より縦に行ける伊東と、中に入っていくことで脅威になる堂安という違いもある。その点についても三笘は、「堂安選手は中に入ってクロスだったりシュートのときもありますけど、中国戦の得点のように逆サイドをよく見てくれてますし、伊東選手は縦の突破からのクロスが多くあるんで、中の入り方っていうのは違うかなと思います」とイメージを膨らませる。
それに対して逆サイドでの躍動が期待される伊東は、9月シリーズでは途中出場だったが、「スタートからでも途中からでも、やることは変わらない。(クラブでも)調子はいいので、代表でも調子はこの前よかったんでそれをそのまま出せればいい」と泰然自若の構え。
そのうえで、「幅を広く取ってサイドでうまくコンビネーションだったり縦の突破だったりをやってて、それをやるにつれて中が空いてくると思うのでそれが大事」と話すように、自身が直接得点に絡むことをまずは狙いながらも、それが叶わずとも味方選手に時間とスペースをもたらすイメージも膨らませる。
(取材・文/中地拓也)
(後編へつづく)