【J2天王山でドロー。悲願のJ1復帰に王手をかけた清水の今(1)】「途中から出てきた選手がスイッチを入れてくれた」と乾も絶賛。鬼門の国立で勝点1を取れた理由とリスクの画像
横浜FC戦でドリブルする清水エスパルスの乾貴士 撮影:中地拓也

 最終盤を迎えている2024年J2。今季はここまで清水エスパルスと横浜FCの上位2強がリーグをけん引しており、彼らがそのまま自動昇格を手にしそうな気配が強まっている。

 それをより確実にするためにも、9月28日の直接対決では両者ともに勝利がほしかった。特に東京・国立競技場に5万5000人超の大観衆を集めたホームの清水としては、昨年12月2日のJ1昇格プレーオフ決勝・東京ヴェルディ戦の苦い記憶を払拭する必要がある。あと一歩でJ1切符を逃した秋葉忠宏監督、乾貴士高橋祐治ら当時を知る面々は特別な闘志を抱いて、大一番に向かったはずだ。

 彼らにとって横浜FCはまさに難敵。5月18日のニッパツ三ツ沢球技場でのアウェー戦は0-2で完敗を喫している。

「前回対戦ではなすすべもなく0-2で負けた」と矢島慎也も話していたが、その時よりチーム力や完成度は確実に上がっている。清水は8月10日のザスパクサツ群馬戦から7戦無敗で、直近3連勝。9月18日の徳島ヴォルティス、22日の藤枝MYFC戦は先制を許しながらもしぶとく逆転勝ちしている。

「間違いなく我慢強く、したたかに勝負強くなってきている」と秋葉監督も語気を強めていたが、目に見える成長を宿敵相手に示す必要があった。

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