【J1川崎の新ダブルボランチが奏でた勝利への鼓動(2)】山本悠樹と河原創の間で共有していた新潟対策……つなぎ、ボール奪取、運動量で見せた戦い方の画像
アルビレックス新潟戦でプレーする川崎フロンターレの河原創 撮影:中地拓也

 来月にホーム&アウェイでの激突が待つYBCルヴァンカップ準決勝の前哨戦となった、27日のアルビレックス新潟とのJ1リーグ第32節を大きく動かし、川崎フロンターレを5-1の大勝に導いたのは今夏に加入したボランチだった。

 両チームともに無得点で迎えた11分。新潟のDF舞行龍ジェームズが、川崎陣内の真ん中へ降りてきたFW長倉幹樹へパスを通した直後だった。ボールを奪える、と判断した河原創が瞬く間に長倉との間合いを無にした。

「特に狙っていた、というわけではないですけど、相手がちょうどトラップした際にしっかりと体をコンタクトできて、マイボールにしたときにはエリソンとマルちゃんがもう走り出していた。どちらを狙うかで迷いましたけど、相手がエリソンの方にちょっと寄ったので、マルちゃんへのパスを選んだ、という形ですね」

 完璧なボール奪取から、中央のエリソン、左側のマルシーニョの二者択一で得点する確率が高いFWを選ぶ。河原のパスを受けてペナルティーエリア内へ侵入したマルシーニョを、新潟の守護神・小島亨介がたまらずファウルで倒した。

 中村太主審が告げたPKをエリソンが決める。ホームのUvanceとどろきスタジアムのボルテージを一気にあげた14分の先制点を導き、今シーズン最多の5ゴールを奪う呼び水にもなった河原のプレーを、鬼木達監督も称賛した。

「彼がもっているものをそのまま出してほしいので、特別な指示は出していません。つなぎの部分とボール奪取の部分を含めて、運動量を生かしながらいろいろな部分をカバーしているし、チームのなかで欠かせない存在になっている」

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