■韓国で「食べること」が法律で禁止に?
最近は韓国で犬肉を食べることが法律で禁止されつつあるようですが、「牛は食べていいが、犬を食べてはいけない」という欧米人の基準に従う必要があるかどうか、僕は疑問に思います。
「あらゆる肉食はさけるべきだ」というベジタリアンの考え方は、僕にも理解できます。
犬や猫は、今では世界中でペットとなっているので、食べることに拒否感を覚える人が多いのは間違いありません。しかし、大昔の中国では犬や馬は食用の家畜でした。
一方、ユーラシア大陸北部の遊牧騎馬民族は、人間が馬に乗る方法を開発。人が馬に乗って矢を放つ「騎射戦」という戦法を発明しました。中国をはじめ、世界中で騎射戦が取り入れられ、馬は最強の兵器のようなものになったので、食べることは少なくなりました。
遊牧民は羊などの放牧のために、馬や犬を利用。彼らの間では、信頼できる相棒である犬が愛玩動物にもなり、北方遊牧民族の影響を強く受けた隋や唐の時代(7世紀)には中国でも犬は愛玩動物となったので、多くの人は犬を食べなくなったようです。
何を食べて、何を食べないのか……。それはただ、歴史的、文化的、宗教的な理由しかないのです。
ちなみに、「オハイオ州スプリングフィールドのハイチ系移民が犬や猫を食べている」というのは、まったくのでたらめ、悪質なフェイクニュースのようです。