■札幌が迎える重要な試合

 磐田との直接対決はもうないが、湘南や柏との”6ポインター”に勝利することで、残留ラインが下がる可能性も出てくる。ただ、そうした希望も次節のホーム京都戦で勝点3を積み上げないと萎んでしまうだろう。それによって終盤に交代したGK児玉潤の奮闘などで、町田から”天空の城”で掴み取った勝点1の意味合いも変わってくる。ディフェンスリーダーの岡村大八を中心に、8試合9得点のFWラファエル・エリアスや大型FWの原大智を止め、復活してきた鈴木武蔵を筆頭に得点を奪うことができるか。

 ここから札幌が勝点ペースを落とさず、残留の希望を繋いだ場合、大きな山場になりそうなのが、第37節のサンフレッチェ広島戦だ。ちょうど湘南戦と最終節の柏戦の合間に控えるアウェーゲーム。かつて広島を指揮した”ミシャ”ことミハイロ・ペトロヴィッチ監督にとって、新スタジアムでの感慨深い帰還となるが、優勝がかかる広島と残留を目指す札幌という対照的な両者の対戦が、J1の命運を左右するかもしれない。

(取材・文/河治良幸)

(中編へつづく)

(2)へ続く
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