■前監督より失点率が上がっている監督交代後の鳥栖
鳥栖にとって夏場の大量移籍や12得点を記録しているマルセロ・ヒアンの負傷離脱がダメージとなっている。それらを補強選手でもカバーできていない状況だが、それでも監督交代後に1分5敗という結果はこのまま巻き返せなかった場合、フロントの責任を問われても仕方がない。
唯一、引き分けた浦和戦は相手の退場で終盤を数的優位で戦えたことが大きかった。木谷公亮監督は守備の再整備をポイントにあげていたが、指揮した6試合で15失点で、川井健太前監督が率いた時期よりも失点率が上がっているのが現実だ。
ただ、新システムの3ー1ー4ー2が少しずつ形になっている中で、夏に加入した右ウイングバックの久保藤次郎やアンカーの西矢健人など興味深いフィットも見られる。因縁の近隣クラブである福岡を相手に勝利できれば、奇跡的な逆襲に向けてチームのボルテージが高まることは間違いない。その中で、現在2トップの一角を担う21歳のMF日野翔太など、ニューヒーローが現れれば、希望をつなげられるかもしれない。
19位の北海道コンサドーレ札幌は現在の勝点が26。数字上は鳥栖より「2」多いだけだが、夏以降のチーム状態は悪くない。6月下旬に加わったMF大崎玲央の救世主的な働きにも助けられる形で、第23節以降で見ると4勝3分2敗であり、9試合で勝点15を積み上げている。ただし、このペースで残り7試合を戦っても勝点38となり、41には3足りない。もっとも17位の湘南や18位の柏レイソルといった、降格の可能性を残す下位チームとの対戦を残しているのは救いだ。