現在、日本代表が予選を戦っている2026年のワールドカップ本大会は、アメリカ、カナダ、メキシコの3か国共催で行われる。サッカージャーナリスト大住良之は今回、そのうちのひとつ、メキシコの代表チームに注目した。2年後の本大会に向け、苦悩と挑戦が続いているホスト国の「知られざる現状」と日本との「意外な因縁」に迫った。
■アジア3次予選で連勝「16位」に
9月19日発表のFIFAランキングで日本が2つポジションを上げ、16位となった。ワールドカップのアジア3次予選で中国とバーレーンに連勝したことで、前回(7月18日)比「+10.71」のポイントを稼いだことから昇格は確実とみられていたが、抜いたのがメキシコ(前回発表と同じ17位)とアメリカ(2位下げて18位)だったことが興味深い。
ともに、次回2026年のワールドカップ・ホスト国である。ちなみに、もうひとつの共同開催国カナダは、2つ順位を上げて38位である。次回のワールドカップが48チームの大会となることから、3か国とも現時点では予選抜きの出場権獲得が「無理」なものではないことがわかる。
ただ、3か国とも、これからどんどんランクを下げていくのは確実だ。大会まで2年。他の国がワールドカップ予選を戦うなか、この3か国だけは公式戦が来年夏の「CONCACAFゴールドカップ」しかなく、それ以外は勝ってもあまりポイントを稼げない親善試合を繰り返すしかないからだ。2014年ワールドカップ・ホスト国のブラジルが2013年に22位までランクを下げたが、3か国にはこれからそうした「運命」が待ち受けている。