■ブラジルに競り勝って「金メダル」
フル代表の話ではないが、2012年のロンドン・オリンピックでは、決勝戦でブラジルに2-1で競り勝って金メダルを獲得した。ブラジルはDFにチアゴ・シウバ(パリ・サンジェルマン)、マルセロ(レアル・マドリード)、FWにフッキ(ポルト)の「オーバーエージ」を使い、攻撃陣にはネイマール(サントス)、オスカル(チェルシー)、レアンドロ・ダミアン(インテル・ポルトアレグレ、後に川崎フロンターレ)といったタレントを並べた「本気」のチームであり、当然、優勝候補の筆頭だった。
このブラジルに対し、メキシコはまったく恐れることなく互角の攻め合いを見せたのである。そして開始わずか28秒でFWオリベ・ペラルタが先制、後半30分にはMFハビエル・コルテスのFKをペラルタがヘディングで叩き込み、2-0とした。ブラジルがようやく1点を返したのは、アディショナルタイムに入ってからだった。
1990年代以来、メキシコは南米の選手権である「コパ・アメリカ」にたびたび招待されて出場していた。南米のチームは、多かれ少なかれ、ブラジルに対し、コンプレックスを持っている。ところがメキシコは、最初からブラジルを恐れていなかった。そして21世紀になってからのコパ・アメリカでの対戦では、2勝1敗と勝ち越しているのである。