■痛かった3失点目。仙台は5位に後退
攻撃の糸口を見つけたのは前半終了間際で、41分にFWエロンのクロスから中島元彦が決定的なヘディングシュートを放つ。43分には左サイドから守備ブロックの間へパスを通し、中島の縦パスをボランチの松井蓮之がペナルティエリア内で受け、ゴール正面のMF郷家友太へ残す。背番号11が確実に流し込み、仙台は1点差に追いついて前半を終えた。
ところが、後半開始から間もない53分、1失点目に似た展開で3点目を奪われてしまう。DFラインからの縦パスを矢村に収められ、両CBと左SB奥山政幸の3人がかりでも止めきれず、左足で蹴り込まれてしまった。
3失点目の直前にオープンプレーとセットプレーで相手ゴールへ迫ったように、仙台も崩しの形は作れている。ただ、ペナルティエリアの幅に選手が固まってしまうことが多く、とくに左サイドのタッチライン際を効果的に使うことができていない。このため、森山佳郎監督は65分に3枚替えをする。ドリブラーのオナイウ情滋を2列目左サイドへ置いた。同時にボランチの工藤蒼生、FW中山仁斗を投入する。中山は第21節以来10試合ぶりの出場だ。
さらに74分、中島を下げてMF名願斗哉を送り出す。オナイウが右サイドへスライドし、中島が左サイドへ入る。両サイドにドリブラーを置いた。さらに80分、ボランチ松井を下げてFW菅原龍之助を中山と最前線に並べる。90+1分にオナイウのクロスからオウンゴールで1点を返したが、2対3でホイッスルを聞くこととなった。
今節の結果により、仙台はファジアーノ岡山に勝点で並ばれ、得失点差で5位に順位を落とした。仙台は得失点差がプラス2だが、岡山はプラス15だ。勝点47で6位の山口はプラス3、勝点46で7位のジェフユナイテッド千葉はプラス17、勝点46で8位のいわきFCはプラス11と、いずれも仙台を上回る。J1昇格プレーオフ出場をめぐって、勝点はもちろん得失点差も睨みながらの争いが続いていく。