■試合前日に鬼木達監督と話したこと

 桐蔭横浜大から加入して2シーズン目。ルーキーイヤーの4ゴールを、全試合に出場している今シーズンは、8試合を残して3倍の12ゴールに増加させている。

「でも、なかなかチームとしては勝てていない。ということは、まだまだ足りていないということ。自分がもっと取っていればさらに勝ちを増やせたと思うし、今日は1点だけだったけど、今後ももっともっと取り続けていきたい」

 連敗を喫した横浜F・マリノスとの前々節、北海道コンサドーレ札幌との前節で山田は先発しながら無得点。途中出場したマリノス戦でゴールした、FWエリソンに先発を奪われた鳥栖戦で、ベンチから相手の守備網の穴を探し続けた。

「常に競争があると思っているし、ベンチから見えるものもある。昨日の練習後にはオニさん(鬼木達監督)ともいろいろと話をしました。何を話したかと言われるとあまり覚えていないけど、悔しさを含めて、いろいろな思いがありました」

 腐らず、それでいて下も向かず、いざピッチに立てば真っ赤な闘志をほとばしらせながら貪欲にゴールだけを追い求める。苦しい戦いが続いてきた今シーズン。収穫をあげるとすれば、24歳の新エース誕生は間違いなくそのひとつに含まれる。

(取材・文/藤江直人)

(後編へつづく)

(2)へ続く
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