【川崎の新エース&新戦力が躍動する意味(1)】鳥栖戦の決勝弾を決めた山田新。「持っている」と「やべぇ」の同居の中で……先発落ちの試合前日には鬼木達監督との話し合いの画像
サガン鳥栖戦での川崎フロンターレFW山田新 撮影:中地拓也

 脳裏にパッとひらめいた思いを言葉に変換しようとして、急に照れくさくなったのか。川崎フロンターレのFW山田新の声のトーンが急に小さくなった。

「……まあ、自分的には持っているな……と思います」

 何に対して「持っている」と感じたのか。答えはホームのUvanceとどろきスタジアムにサガン鳥栖を迎えた13日のJ1リーグ第30節。2-2のまま後半アディショナルタイムに突入した100分に、山田が決めた劇的な決勝ゴールにある。

 鳥栖のロングフィードをDFセサル・アイダルがはね返し、こぼれ球をボランチ橘田健人が左サイドバック三浦颯太へ展開。利き足の左足から放たれた縦パスに、前方にいたFWマルシーニョを抜け出してカウンターが発動された。

 鳥栖陣内の左サイドを一気に抜け出したマルシーニョが、ペナルティーエリアの左側から右足アウトサイドでラストパスを送る。ニアサイドへは山田が、フリーの状態で詰めてくる。土壇場で熱戦に決着がつくと、誰もが信じて疑わなかった。

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