長谷部誠鎌田大地浅野拓磨に聞いていた「日本」

 FCポルトのアカデミーで育った30歳の点取屋はポルトガル、ギリシャを経て、2018年にフランクフルトへ赴いた。ここでは長谷部誠(現U-21コーチ)、鎌田大地(クリスタルパレス)と同僚。21-22シーズン欧州リーグ制覇(EL)にも貢献した。さらにその後はシャルケ、セルタ、ボーフムへ。昨季は浅野拓磨(マジョルカ)とチームメートだった。

「本当に彼ら3人には『日本はどういうところなのか』と沢山、質問しました。誰もが言うのは『本当にいい国だ』と。『サッカーのクオリティもしっかりある』とも言っていましたけど、その通りだと思う。今はここでサッカーすることを楽しみたいですね。

(サンフレッチェ出身の)拓磨に『行く』と伝えた時は最初、信じなかった(笑)。もちろんブンデスリーガでやっている時もすごく楽しみながらサッカーできていたし、活躍できましたけど、今は日本での挑戦が始まっている。ここで成功したいと思っています」

 パシエンシアは茶目っ気たっぷりにこう話したが、3人の日本人トップ選手からの情報収集効果もあって、広島への環境適応はスムーズに進んでいる様子。ドイツ人のスキッベ監督とダイレクトに意思疎通を図れることも非常に大きいだろう。

 鹿島戦は松本泰志の追加点で2-1とリードしながら、徳田誉に一発を浴び、2-2で引き分け、1試合で首位陥落となってしまったが、内容自体は悪くなかった。まだまだ巻き返しは可能なはずだ。

 ここから彼がコンスタントにゴールという結果を残し、チームを勝利へと導いてくれれば、広島は確実にもう一段階ギアを上げられる。ルヴァン、天皇杯がなくなった分、日程も多少は楽になる。そのアドバンテージを生かし、終盤戦にスパートをかけてほしい。

(取材・文/元川悦子)

(後編へ続く)

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