【中国戦で2発の南野拓実、仲間と描くゴールのビジョンとは (1)】中国が打開を目指した後半のシステム変更が南野に勢いをもたらす……2Gの布石になった立ち上がりのマッチアップの画像
中国戦でのサッカー日本代表の南野拓実 撮影:中地拓也
全ての写真を見る

 中国戦の勝負を決定づける、南野拓実の鮮やかな2ゴールだった。三笘薫とのワンツーから流し込んだ1点目は52分、町田浩樹の縦パスからFW上田綺世が落としたボールをうまく受けて、ボックス内の中央から決め切った2点目が58分。2得点とも、この日の日本の狙いがよく表れた形で、南野がストライカーらしい決定力を発揮した。

 90分フル出場し、締めくくりとなる久保建英による7点目にも起点として絡んだ南野はMOMに輝き、試合後は記者会見に登壇。さらに複数のテレビ局からインタビューを受けるなど、引っ張りだこだった。そんなヒーローをミックスゾーンで待ち構えていたのだが、アウェーのバーレーン戦に向けた準備のために、チームバスが出発する寸前で、取材時間は短くなってしまった。その中でも聞き出せた言葉を織り交ぜながら、躍動的だった攻撃陣の中でのビジョンを紐解きたい。

 南野の2ゴールが生まれた後半の立ち上がりを振り返ると、中国は前半4-4-2でスタートしたが、3バックをベースとした日本の攻勢に苦しんでいた。三笘の左外からの仕掛けや堂安律と久保建英の右からの流動的なチャンスメイクに対応できず、前半アディショナルタイムには久保からインサイドでボールを受けた堂安の左足クロスにファーから三笘が飛び込んで合わせる形で、序盤にCKから遠藤航のヘッドで先制点を挙げていた日本に、待望の2点目がもたらされた。

 このシーンでは、ゴール前中央で相手ディフェンスを引き付ける仕事をしていた南野。前半から三笘の内側で、FW上田綺世の手前からボランチの守田英正とスペースを共有しながら、中国のディフェンスの合間に入り込む動きを繰り返していた。

PHOTO GALLERY 全ての写真を見る
  1. 1
  2. 2