■中国のシステム変更が南野拓実に勢いを
そんな南野にとって、中国の後半からのシステムチェンジはむしろ歓迎だったようだ。南野は「３バックになってからの方が、逆に自分はやりやすかったかなと。後ろのスペースが空くし、立ち上がりすぐに、僕がマッチアップしてる相手に対して先手を取れた」と振り返る。
中国は５－３－２になったことで、インとアウトを使い分けてくる日本の攻撃にバックラインが激しいスライドを強いられなくなった代わりに、左の町田や右の板倉滉に簡単に高い位置で前を向かれてしまい、前の選手にタイミングよく縦パスを付けられた。南野はそうした状況を逃さず、1点目は町田から縦パスを引き出して、そこから外側の三笘とのワンツーでボックス内に潜ると、対応に来たディフェンスをまた抜きして逆をとり、冷静に流し込んだのだ。
また抜きは感覚だったと語る南野だが、ゴールのイメージに関しては「あそこのスペースを狙っていくのはチームとしてのコンセプトの１つでもあるし、僕が得意なプレーでもあったので。薫がタイミングよくパスをくれて、うまく相手をかわして、落ち着いて流し込むことができた」と振り返った。
（取材・文／河治良幸）
（後編へ続く）
