■Jリーグでは「宣言は宣言、試合は試合」?

 さて、ブラッターがつくった「黄色」のイメージを一度、頭から消し去ったら、あなたの「フェアプレー」は、どんな色になるだろうか。

 日本サッカー協会は毎年9月1日から30日の1か月間を「リスペクト・フェアプレー・デイズ」とし、シンポジウムなどが開催されるが、試合の場でもリスペクト・フェアプレーを呼びかけるさまざまな取り組みが行われる。

 Jリーグでは、試合前に両チームのキャプテンがそれぞれの「リスペクト・フェアプレー宣言」を読み上げる。いつも不思議に思うのは、「リスペクト・フェアプレー」という観点で8月までの試合と「宣言」が読み上げられた9月の試合を比較しても、ファウル数やイエローカード数、審判への異議などで、顕著な変化が見られないことだ。まるで「宣言は宣言、試合は試合」と宣言しているようなのだ。

 そんなことを考えつつ試合を見ながら「フェアプレーって何色?」と考え直してみるのも、意味のないことではないような気がする。

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