■ホーム不敗継続で首位をキープ!
清水の1点リードで迎えた後半開始直後、試合の行方を左右する事象が発生する。甲府のアダイウトンがゴール前へ持ち込み、飛び出したGK権田と接触する。これが著しく不正なプレーと見なされ、アダイウトンが一発退場となった。
清水もこのシーンで選手交代を強いられる。相手FWと空中戦を競ったCB高橋が、負傷退場してしまうのだ。秋葉忠宏監督はDF蓮川壮大を送り出す。4月下旬に負傷離脱した蓮川は、およそ3か月ぶりのリーグ戦出場だ。
数的優位に立った清水は、ピッチの横幅を使って相手の守備ブロックを拡げ、アタッキングサードへ侵入していく。57分には追加点が生まれた。ペナルティエリア内左で乾がタメを作り、SB山原がサポートしてゴール前へクロスを入れる。GKが弾いたボールを、MFルーカス・ブラガがプッシュした。
秋葉監督は73分にMF宮本航汰とカルリーニョス・ジュニオを下げ、MF中村亮太朗とMF矢島慎也を投入する。83分にはDF吉田豊、FWアブドゥル・アジズ・ヤクブを送り出す。システムは代えずにフレッシュな選手を投入し、運動量とプレー強度を保っていく。
90分にはCB住吉ジェラニレショーンの縦パスをアジズが矢島へつなぎ、カウンターを発動する。矢島がドリブルで持ち込み、並走するアジズへ丁寧にパスを通す。ペナルティエリア内右で右足を振り抜いたガーナ人ストライカーが、自身2試合連続となるチームの3点目をゲットした。
10人になっても果敢にハイプレスを仕掛けてきた甲府に、苦しめられたところはある。それでも、終わってみれば3対0である。ホーム不敗神話を継続した清水は、危なげなく首位をキープした。
次節はアウェイでの連戦となる。24日はJ3降格圏に沈む鹿児島ユナイテッドFC、31日は徳島ヴォルティスが相手だ。鹿児島は18節から浅野哲也監督が就任し、立て直しをはかっている。徳島はMF岩尾憲が浦和レッズから、MF渡井理己がボアヴィスタ(ポルトガル)から復帰し、J1昇格プレーオフ圏をうかがっている。どちらのチームも、「首位の清水を下して浮上のきっかけをつかみたい」とのモチベーションで挑んでくるだろう。
ここまで7勝7敗と苦手にしているアウェイで、勝点をつかみ取ることができるか。秋葉監督は「しっかりとマインドセットして、アウェイでも必ず連勝して帰ってきたいと思います」と力強く語った。