■宇佐美貴史が模索する道筋
ただ、やはり今のガンバ攻撃陣は宇佐美への依存度が強すぎるのは確か。宇佐美が絡めば迫力ある攻めが見られるが、それ以外の解決策がなかなか見当たらない。後半入ってきたウェルトンや坂本らもシュートゼロ。総得点28というリーグ下から4番目の数字を引き上げるのは至難の業だろう。
「もう少しタテの速さというか、ビルドアップしながら、いいパスや誰かの突破をきっかけにスピードアップしていくっていうところを突き詰める必要があると思います。僕自身はスピードアップさせるのか、スピードアップのきっかけになるのかを考えながら、もっとやっていかないといけない」
宇佐美は攻撃の変化をつけながら、他のアタッカー陣に点を取らせる道筋も模索していく考えだ。終盤戦になれば新加入の林大地も戦力になるだろうが、当面は宇佐美次第という状況が続きそうだ。彼が周りを生かし、自分も生きるという理想的な形に持っていけるようにチーム一丸となって取り組むしかない。
(取材・文/元川悦子)
(後編へ続く)