【J2「真夏の進化」】清水エスパルス、乾貴士の絶妙ターン&スルーパス先制点から4点奪取圧勝 夏バテ知らずの攻撃力で首位浮上【戸塚啓のJ2のミカタ】(1)の画像
大勝のチームを牽引した清水MF乾貴士  撮影/中地拓也

■清水はシステムのミスマッチを生かして

「超攻撃的」が、ホームで躍動した。

 J2リーグ第26節が8月10、11日に行なわれ、2位の清水エスパルスは10日、最下位のザスパ群馬とホームで対戦した。

 清水は前節メンバー外だったDF原輝綺、DF山原怜音がスタメンに復帰した。システムはいつもの4-2-3-1である。さらに23節のジェフユナイテッド千葉戦で負傷したMF松崎快が、3試合ぶりにメンバー入りしている。

 一方の群馬はJ3降格圏からの脱出をはかるべく、夏の移籍市場でサンフレッチェ広島からMF仙波大志、V・ファーレン長崎からMF瀬畠義成、サガン鳥栖からFW河田篤秀とFW樺山諒乃介を獲得した。4人はスタメンに名を連ね、群馬は3-4-2-1のシステムで清水に挑む。

 序盤から清水が主導権を握る。キックオフ早々にMFカルリーニョス・ジュニオが決定機を迎えた。群馬はミドルブロックを敷いて対応してきたが、システムのミスマッチから清水はCBやボランチがフリーになり、チーム全体で前進していく。

 20分には先制する。CB高橋、ボランチ宇野禅斗がいずれもノープレッシャーでボールをさばき、宇野からMF乾貴士へ縦パスが入る。背番号33が巧みにターンすると、MFカルリーニョス・ジュニオへスルーパスが通った。3バックの左脇でボールを受けたブラジル人アタッカーが、GKとの1対1を制して冷静にネットを揺らしたのだった。カルリーニョス・ジュニオはシーズン4得点目だ。

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