■清水は4発快勝で首位に立つ

 27分には追加点を奪う。右CKを獲得した清水は、山原がペナルティボックス外の宇野へグラウンダーのパスを送る。右足から繰り出されたシュートが、相手選手に当たってゴール右スミへ吸い込まれた。夏の移籍市場でFC町田ゼルビアから加入した宇野は、自身2試合連続ゴールだ。

 清水は前節に続いて2列目のカルリーニョス・ジュニオとルーカス・ブラガが内側に立ち、右SB原と左SB山原がタッチライン際に立って幅を取りながら、内側のレーンも使っていく。とくに原の神出鬼没な動きが、局面での数的優位と位置的優位を生み出していく。守備ではカウンタープレスを炸裂させ、群馬陣内でサッカーを続けていった。

 前半終了間際の45+1分、その原がチームの3点目を叩き出す。左ショートコーナーで相手の目線をズラすと、ゾーンディフェンスのすき間に入り込んだ原がヘディングシュートを突き刺したのだった。

 今シーズンの清水は、ホームで10勝1分と無敗を誇る。3対0はセーフティリードと言っていいが、「超攻撃的」を掲げるチームは後半も群馬のゴールに襲いかかっていく。

 秋葉監督は60分過ぎから交代カードを切り、フレッシュな選手を投入して攻撃のギアを上げていく。そして70分、FWアブドゥル・アジズ・ヤクブが、MF矢島慎也のスルーパスからダメ押しの4点目をゲットする。アジズは加入後初ゴールとなった。

 後半は群馬にボールを動かされる場面もあったが、前後半合計で23本のシュートを浴びせ、相手のシュートをわずか3本に抑えた。清水らしさを存分に発揮した内容で、勝点3を積み上げたのである。

 今節は首位の横浜FCと3位のV・ファーレン長崎が対戦し、スコアレスドローで勝点1を分け合った。その結果、勝点55の清水が首位に立っている。

 次節の対戦相手はヴァンフォーレ甲府だ。ここまで14位の甲府は、23節から大塚真司コーチが監督に昇格し、直近3試合負けなしの2連勝と調子をあげている。それでも、舞台はIAIスタジアム日本平である。得意のホームゲームで、清水は首位街道を走っていく。

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