■屈強な相手に一歩も引かない「本格CF」

 冒頭にも述べたように、細谷真大もセンターFWとして特筆すべき活躍をした。

 CFのポジションも日本では人材難が続いていた。森保監督の率いるA代表でもスピードのある浅野拓磨前田大然がトップを務めることが多く、本格的なCFタイプはなかなか現われなかった。

 最近は、得点能力の高い上田綺世がCF争いでリードしていたが、パリ・オリンピックでのプレーぶりを見ると、細谷がCFのファーストチョイスとなってもおかしくない。

 欧州、南米、アフリカの屈強なDFとマッチアップしても一歩も引かずにポストプレーで味方の攻撃をリードした細谷の姿は忘れられない。

 こうして、従来、日本の弱点と言われていたGKやセンターバック、CFというゴール前を戦場とするポジションにタレントが現われ、ボランチの藤田を加えて縦の中軸が形成された。

 将来、こうした選手たちが順調に成長し、ワールドカップでも中心として活躍するようになったとすれば、パリ・オリンピックは日本サッカーの歴史上の転換点と位置づけられるようになるだろう。

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