■細谷“幻のゴール”を生んだ「中盤の支配者」
中でも特筆すべき活躍をしたのが藤田譲瑠チマだった。攻守にわたって中盤を支配し、正確なパスを使って攻撃の起点となり続けた。
パラグアイ戦では69分に藤田がスペースに出したパスで右サイドの佐藤恵允がフリーとなり、佐藤のクロスがつながって山本理仁のゴールが生まれたし、87分の5点目も中盤でこぼれたボールを藤田が素早く細谷につなぎ、細谷が藤尾翔太を走らせたものだった。
メンバーを落として戦ったイスラエル戦ではともに決定打がなく、そのままスコアレスドローかと思われたが、79分に細谷と藤田が投入されると日本の勢いが一気に増し、藤田のパスからチャンスを量産。後半アディショナルタイムには、藤田が起点となった攻撃で細谷が決勝点を決めた。
そして、スペイン戦でも、あの細谷の“幻のゴール”を生んだのは、細谷の足元にピタリとつけた藤田のパスだった。