■9月のA代表では

 この先、A代表定着を目指そうと思うなら、アカデミーの先輩・板倉滉(ボルシアMG)ら欧州組DF陣を越えていくことが求められる。川崎U-18時代の長橋康弘監督は「ポテンシャル的には板倉より上」と評価しているようだが、発信力や言語化能力はまだまだ足りない。高井自身も課題を自覚して取り組んでもらいたい。

 その点、現役大学生の関根はコミュニケーション能力に長けている。性格的にもオープンで、年齢的に上のグループや外国人の中にも入っていけそうだ。

「自分ももっと上のレベルに行きたい」と関根は前向きにコメントしていたが、一気に抜け出していくためには近い将来の海外移籍はマストだろう。そこで実績を残して初めて菅原由勢(AZ)ら年長者と堂々と競える状況になる。左サイドバック(SB)の大畑歩夢(浦和)も「世界に行かないと追いつけないという危機感はある」と本音を吐露していただけに、パリ世代の海外移籍の波は加速しそう。その中からより多くの人材がA代表に上り詰め、日本代表のレベルアップに貢献してくれれば、大岩監督も報われるのではないか。

 まずは9月からスタートする2026年W杯アジア最終予選メンバーの行方をしっかりと見極めたいものである。

(取材・文/元川悦子)

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