■「チームの強みになる」
守備に関しても失点数をより減らしていければ理想的。結果が出なかった6月はチーム全体が間延びし、コンパクトに守り切れないという課題が目についたが、そのあたりは改善に向かっている。
その前向きな流れを新加入の宇野がより引っ張っていければいい。宇野が宮本航汰、あるいは中村亮太郎とボランチを組んで、相手の攻撃の芽を摘めれば、最終ラインの負担も減るし、守護神・権田修一も相手シュートの的を絞りやすくなるはずだ。
「(禅斗には)ボール奪取を何回もしてもらってすごく助けられた場面もありましたし、ボールを取れる力はすごくある思う。またチームの強みになるのかなっていうのは感じますね」と宮本も宇野加入効果を強く感じた様子。それが本当に公式戦で出れば、失点減につながっていくだろう。
「中断期間にやってきたこと、攻守において狙いにしてきたことが出たのは非常にポジティブだった」と秋葉監督もランス戦後に語っていたが、いい流れを持続できるかどうかが重要だ。
そのためにも、再開初戦の仙台戦は絶対に落とせない。アウェーのやりづらい環境の中、彼らは「強いエスパルス」を見せられるのか。今後の左右する大一番の戦いぶりをまずはしっかりと注視していきたいものである。
(取材・文/元川悦子)