「パリ五輪のファイナルに進出して金メダル」という壮大な目標を掲げる大岩剛監督率いるU-23日本代表にとって、7月27日(日本時間28日早朝)に対峙する相手・マリはグループ最大の難敵と見られた。
というのも、ご存じの通り、3月に京都で挑んだテストマッチでは1-3の完敗。最終ラインに陣取っていた西尾隆矢(C大阪)も「手や足が伸びてくるところだったり、本当に単純に身体能力の違いをすごく痛感しました。かといって、そこでやっぱり逃げてたら絶対にダメ。一瞬のスキも見せてはいけない」と肝に銘じていたほどだ。
この苦い経験が、ボルドーで挑んだ2度目のマリ戦の大きな糧になったのは間違いない。
今回、センターバック(CB)に陣取ったのは4カ月前に3失点した西尾と高井幸大(川崎)。彼らと国際経験に秀でる守護神・小久保玲央ブライアン、アンカーの藤田譲瑠チマ、インサイドハーフ(IH)の山本理仁(いずれもシントトロイデン)が球際や1対1で負けない守備を実践。前半からチャンスを作れたものの、危ない場面を1つ1つ確実につぶしていったのだ。