後藤健生の「蹴球放浪記」第223回「ホテルの朝食は食べるべきか否か」の巻(2)「心温まる」ポーランド、「パンがうまい」フランス、「血のソーセージ」がうまいのはの画像
ポーランド北部グダニスク郊外の民宿「ヴィラ・アリシア」。この宿の朝食も忘れられない。 写真提供/後藤健生

 蹴球放浪家・後藤健生にとって、体は資本である。その大事な商売道具をしっかり気遣うことも、仕事の一環だ。たとえば旅先で朝食を取るか否か、その経験の積み重ねも、現在の蹴球放浪家を形作っているのだ。

■とても暖かいものに感じられた東欧の朝食

 2019年にU-20ワールドカップを見に行ったときに泊まった、ポーランド北部グダニスク近郊の民宿でも朝食が楽しみでした。

 郊外の小さな駅を降りて、5~6分ほど歩いた小高い丘の上にある民宿で、年配のご婦人が切り盛りしていました。

 そして、朝食は時間を指定しておくと、そのご婦人が部屋まで持ってきてくれるのです。パンにバターとジャム。しかし、そこにサラダ、ハム、ソーセージ、チーズ類、ミルク、ピクルス、ヨーグルトが付いています。特にこれが美味しいというわけではありませんし、ある意味で日本のビジネスホテルの朝食にも似ているんですが、どこか手作り感があって美味しくいただいたことを覚えています。

 かわいらしい部屋の内装とか、その民宿のおばさんのお人柄などが織なす雰囲気があるからこそ、朝食がとても温かいものに感じられるのでしょう。

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