■「1人になりたい」
多彩な形からのヘディングシュートという武器を搭載し、ゴール量産につながっていると語る山田へ、J1リーグ歴代7位の通算140ゴールをマークしている36歳のベテラン、FW小林悠も「もっともっと伸びていくと思う」と目を細める。
「ゴールへの欲があるし、自分が決めてやる、という気持ちが前面に出ている。技術ではなく気持ちの部分で強さを見せている姿は、僕の若いときにすごく似ているというか、同じようなものを感じる。もちろんパワーやスピードは新の方がはるかにうえだし、今後は代表入りするような選手になってほしいと思いっています」
過去に3試合連続でマルチゴールを決めた8人のなかで、日本人選手は1998シーズンに4試合連続ハットトリック達成のギネス記録を樹立したジュビロ磐田のFW中山雅史、セレッソ大阪時代の2003シーズンのFW大久保嘉人しかいない。
「嬉しいけど、1人になりたいというか、自分だけのものがあればいいかなと」
偉大なストライカーたちに続いた状況を喜んだ山田はオンリーワンに、つまり5試合連続マルチゴールの新記録を樹立する壮大な夢も語った。標的にすえるのはマリノスの次節と、埼玉スタジアムに乗り込む第28節。川崎を5連勝に導くマルチゴールを決めたとき、山田はJ1の得点王争いにも加わっているかもしれない。
(取材・文/藤江直人)