■「皆さんに勝利を届けるのが自分たちの使命で、責任」

 後半32分に小泉のCKをサンタナが合わせる形で1点を返すと、小泉のパスを起点にサンタナが絡み、最後は二田が右足で流し込んで2点目。さらにセットプレーの流れで前に残ったDF井上黎生人が岡村大八のファウルでPKを獲得すると、キャプテンの伊藤が決めて、土壇場で1点差とした。アディショナルタイムでも同点ゴールに迫ったが、石原広教のクロスにドンピシャで合わせたサンタナのヘッドがGK菅野孝憲にセーブされると、試合終了の笛が吹かれた。

 最後まで諦めない応援と試合後のブーイングをピッチ上で体感した堀内は「この悪天候の中で、後半途中まで0−4という厳しいスコアになった中でも、ああやってスタジアム全体で支えてくれるというのは本当に感謝しないといけないし、幸せないことだと思うので。そういった皆さんに勝利を届けるのが自分たちの使命で、責任だと思う」と前向きに語った。

 秋春制に移行したACLは昨年のうちに敗退、天皇杯の参加資格がなかった浦和は1年目のへグモ監督にも、リーグ優勝に向けた戦いが求められた。序盤戦は4ー3ー3をベースに、開幕前から想定されたメンバーが固定的に起用されたが、苦戦を強いられる中で怪我人も続出。

 試行錯誤を繰り返しながら、最近では4ー2ー3ー1にチェンジしたり、4ー3ー3の鍵と言われたウイングの仕事も変化してきた。そしてキャプテンだった酒井宏樹岩尾憲アレクサンダー・ショルツという心身両面でチームを支えてきた3人が移籍。規格外のオプションとして期待されたオラ・ソルバッケンもレンタル期間の終了で、ローマに帰った。

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