■遠のくタイトルとACL

 チームは伊藤が新たにキャプテンを担う形でリスタートしたが、ここに来て湘南ベルマーレ、京都サンガF.C.、そして札幌と下位3チームを相手に勝ち点1で終わり、現在10位。首位との勝ち点差は16で、ACL圏内である3位の鹿島アントラーズにも勝ち点11離されている状況だ。そして数字上はまだ何も決まっていないとはいえ、タイトルやACLの出場権をひたすら目指すというのは厳しくなっている。

 へグモ監督はJリーグの結果と同時に、来年の参加が決まっている新フォーマットのクラブW杯に向けたチーム強化も担っている。ただ、タイトルが厳しくなろうと、基本的には勝利を目指しながら成長を図っていくべきだ。そうした基準に照らし合わせても、このブレイク期間に今一度、システムを含めた戦い方を整理して、へグモ監督が目指すスタイルを共有していくことが大事になってくるだろう。

 もちろん札幌戦でアピールした4人など、フレッシュな選手たちの取り込みも大事な要素になってくる。ここまで色々な試行錯誤を経験してきたからこそ、4ー3ー3に立ち返るというプランも有効かもしれない。試合には対戦相手があるものだが、今選手たちが躍動できる戦い方が何なのか。図らずも、そのヒントを与えてくれたような0−4からの逆襲劇だった。

(取材・文/河治良幸)

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