■リーグ最少失点はG大阪

 それでも、町田にはサイバーエージェントの強大な資金力がある。複数の報道によれば、日本代表相馬勇紀名古屋グランパスから完全移籍で近日中に獲得する方向で、平河の後釜に据えるという。確かに突破力のある相馬がいれば、サイドでの局面打開力が上がり、チャンスメークやフィニッシュの回数も増えるはずだ。1年半ぶりの日本の猛暑の中、彼がどこまで走力と運動量を発揮できるかは未知数だが、大きな戦力になるのは間違いない。

 すでに日本代表経験のある杉岡大暉湘南ベルマーレから補強しており、必要な人材は積極的に取りに行くだろう。そのアプローチが奏功すれば、このまま一気にタイトルということもないとは言えない。町田が偉業を達成するか否かが今後の大きな見どころになるのは間違いなさそうだ。

 その彼らに立ちはだかろうとしているのが、ガンバと鹿島の両名門クラブだろう。ダニエル・ポヤトス監督就任2年目の彼らは中谷進之介という大きな戦力を獲得し、守備的な戦いに舵を切った。その成果が総失点18というリーグ最少失点である。

「基本的にはつねに失点をしそうな雰囲気っていうのは今、どの試合もない。全員で体を張る中で最後、そこを抜け切ったボールを(一森)純君がしっかり止めている。今、本当に守備に関しては失点数も含めてすごくいい状態だと思います」と宇佐美貴史も6月末に語っていたが、6月30日の町田戦を除いて複数失点している試合は見当たらない。

  1. 1
  2. 2
  3. 3