■「物凄い才能を持った選手」

 もう1人、成長著しいのが18歳の中島洋太朗。広島OB中島浩司を父に持つ彼は2013年U-17ワールドカップで日本の主軸としてプレー。満を持して今季のJ1に参戦してきた。神戸戦も出場時間は後半の25分程度だったが、自ら強引にボールを運んで攻めを仕掛けるなど、非凡な一面をアピール。現地観戦した元日本代表大久保嘉人も「物凄い才能を持った選手」と絶賛していたほどだ。

「どんな形で試合に出ても、チームを勝たせられる選手になっていきたい。若い年齢はとかは関係なく、試合に出る以上はチームを勝たせるつもりでピッチに立っています」と改めて彼はプロの自覚を口にした。

 EURO2024で異彩を放っているスペイン代表のラミン・ヤマルが1つ下ということを考えると、世界基準で言えば、中島のような人材がもっともっと出てこなければいけないということ。それをスキッベ監督はよく分かっているから、彼を積極的に起用しているのだろう。

 今年24歳になる左WB東俊希も含め、広島の若い世代は有望な選手が少なくない。彼らが短期間でグングン伸びて、後半戦の起爆剤になってくれれば、まだまだJ1上位再浮上も狙えるのではないか。そんな期待を込めて、今後の戦いを見守りたいものである。

(取材・文/元川悦子)

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