【上位対決、敗戦。広島が感じた神戸との差(2)】復調の満田、移籍組の新井、新星・中島らが後半戦の希望になるか――広島がこの苦境を打開するためにの画像
サンフレッチェ広島の新井直人 撮影:中地拓也

 川村拓夢(ザルツブルク)や野津田岳人(パトゥム)がチームを去り、エゼキエフが負傷離脱するなど、戦力的に不安を抱えるサンフレッチェ広島。今夏の移籍市場で河原創(鳥栖)を獲得するといった噂も流れているが、確かに補強は必要かもしれない。そのうえで、出番が激減している青山敏弘柏好文らベテランの力も有効活用しながら、苦境を乗り切っていくことが肝要だ。

 そんな広島の希望と言えるのが、今季途中加入で6ゴールという離れ業をやってのけている右ウイングバック(WB)新井直人だろう。3月にアルビレックス新潟から加入した際は賛否両論が飛び交い、彼自身も相当苦しんだだろうが、逆境をバネに新天地で目覚ましい結果を出しているのは称賛されるべき点だ。

「ポジションが(新潟時代の)サイドバックと今のWBになって、立ち位置が変わったことで、役割も180度、変わりました。それでゴール・アシストが取れる確率が高くなっているとは思います。

 与えられたところで結果を出すのがプロ。そうやって生き残っていくことができる選手が上に行ける選手。僕はそう考えながらこの世界で生きてますし、逆にそこが自分の良さなのかなと。つねに与えられたところで考えながらプレーしていることが、広島に来て力を発揮できている1つの要因だと思います」

 新井は冷静の自己分析していたが、新潟、セレッソ大阪徳島ヴォルティスを渡り歩き、数々の修羅場をくぐり抜けてきた男には思考力とインテリジェンスが備わっているのだろう。彼のゴール数というのは2023年の新潟での3ゴールがキャリアハイ。今季はそれをはるかに超える勢いで、その得点力が今の広島の大きな力になっているのは間違いない。

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