■なでしこリーグ1部で「大きなサプライズ」
さて、J1リーグでは初昇格の町田が首位を走るという大きなサプライズがあったのだが、他のリーグでも同じような現象が起こっているのをご存じだろうか。
日本女子サッカーリーグ、通称「なでしこリーグ」はプロ化されたWEリーグの一つ下のカテゴリーとなる、女子サッカー界の2部リーグに当たるリーグだ。そのなでしこリーグ1部で首位を走っているのが、1部初昇格のヴィアマテラス宮崎(V宮崎)というチームである。
V宮崎は、一昨年までは九州リーグを戦っていた。
2021年に九州リーグ2部で全勝優勝を果たして1部に昇格し、さらに2022年には九州リーグ1部でも16戦全勝で優勝。昨年、なでしこリーグ2部に加入すると、14勝4分で優勝して、今年から1部に加わったチームだ。なでしこリーグ1部に到達するまで、リーグでの戦いでは1敗もしなかったのだ。
そのV宮崎は、1部リーグでも開幕戦で昨シーズン4位のスフィーダ世田谷に3対1で勝利すると、第2節では昨シーズン優勝のオルカ鴨川を4対0で粉砕。その後も、首位を走り続けて14試合終了時点で11勝1分2敗という成績で、2位のニッパツ横浜FCシーガルズに勝点4の差を付けて首位に立っているのだ。
去る6月9日には、後半戦に入った第12節で2位のニッパツとの直接対決があった。そして、V宮崎は後半アディショナルタイムの90+5分に板倉楓のゴールで勝利して首位の座を守り、その後の2試合では勝点を落としたものの、依然として2位に勝点4差での首位の座を保っている。
チームの特徴はいわゆる「カウンタープレス型」。全員がハードワークして、基本に忠実に守り、選手間の距離を短くしてボールサイドで相手を囲い込んでボールを奪いにかかる。寄せの速さと運動量の豊富さが生命線だ。強豪ニッパツ戦でも20分ほどで主導権を奪い、ニッパツはロングボールで対抗するしかなくなってしまった。