■統一ドイツとしての「初の国際大会」で躍進

 6月21日の夏至の日には、準決勝の第1試合、スウェーデン対ドイツが行われていました。統一ドイツとしての初めての国際大会で、ドイツは前半8分にFKからのボールをトーマス・へスラーが決めて先制。カール=ハインツ・リードレがさらに2点を追加。ギド・ブッフバルトらの守備陣がスウェーデンの反撃を2点に抑えて勝利して、決勝進出を決めました。

 試合開始は20時15分でしたから、終了は22時を過ぎていましたが、もちろん空はまだ昼間のように明るかったわけです。

 さて、真夜中はどんな光景になるのでしょうか……。

 記者会見が終わって(ドイツの監督はベルティ・フォクツでした)、ホテルに帰り着くと、もう23時をだいぶ過ぎていました。そこで、僕は深夜24時に外がどんな光景になるのか、ホテルの部屋でビールを片手に窓の外を観察することにしました。

 幸運なことに、窓は北向きでした。つまり、沈んでいく(いや、沈まない)太陽を見ることができるわけです。

 太陽は地平線に近づいて、西北から真北の方向に横に移動していきます。そして、ビル群の中に沈んでいきました。しかし、赤く色づいた空は暗くはなりません。しばらくすると、空の明るさが再び増してきました。そして、再び太陽が地平線に姿を現わすというわけです。

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