【王者・神戸に完敗の川崎が直面したもの(1)】失点につながった、高井幸大と遠野大弥の選択肢を上回ったプレー……悔やまれる「剥がすための自信と勇気」の欠如の画像
ヴィッセル神戸・大迫勇也と対峙する川崎フロンターレの高井幸大 撮影:中地拓也

 14時間もの時差がある米カンザスシティからシカゴ経由で、飛行時間だけで13時間を超える行程で帰国してから3日。モードをU―23日本代表から川崎フロンターレに切り替えたセンターバック、高井幸大は開口一番にこうつぶやいた。

「正直、してやられたな、という感想ですね」

 王者・ヴィッセル神戸のホーム扱いとなる国立競技場で0-1と敗れ、5度目の挑戦でまたも今シーズン初の連勝を逃した、16日のJ1第18節後の取材エリア。コンディション的に問題ないと語ったパリ五輪世代の19歳を、何が脱帽させたのか。

「攻撃のところで後ろからのつなぎがうまくできなかったというか、相手は前向きの守備が多かったので自分たちの形を出せなかった。(ボールの出しどころを)探ってはいたんですけど、効果的なパスを出せなかっただけでなく、空いている場所も見つけられなかった、もっともっと成長しないといけないと思っています」

 勝敗を分けた43分のゴールは、高井と昨シーズンのMVPにして得点王、34歳のFW大迫勇也とマッチアップがきっかけだった。神戸の左サイドバック、初瀬亮が放った縦パスに対して、大迫、高井がともに川崎のゴールへ向かう。

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