■「ボールを持てている、という認識はない」
ボール保持率で上回りながら、特に後半に入って柏に圧倒された展開を、鬼木達監督も「ボールを持てている、という認識はないですね」とこう振り返った。
「やはり敵陣でボールを握れなければ意味がない。その結果がこういった(シュート数で圧倒された)後半の数字に表れていると思っています」
チーム全員で反攻を誓い合って臨んだ5月。J1リーグ戦の全6試合で先制しながら、結果は2勝2分け2敗だった。無得点が4試合も続いた4月よりは好転したものの、脇坂は「思った通りに勝ち点を積み重ねられなかった」と振り返る。
「6月は連戦もあるし、来週は再びホームで試合ができる。それに向けていい準備していくことが大事だと思っています」
川崎らしさが散りばめられたファインゴールと、自信を失いかけている跡が反映された防戦一方の後半。二律背反する姿を同居させ、もがき苦しむ川崎が暫定で15位に甘んじているJ1リーグ戦は、まもなく折り返しを迎えようとしている。
(取材・文/藤江直人)