■浦和レディース「究極の目標」は…
今回の女子クラブ選手権を巡るゴタゴタは一義的にはAFCの責任だ。だが、それなら、アジアで初めての女子のプロリーグでもあるWEリーグは、AFCに対してもっと積極的に働きかけを行っていくべきだろう。
浦和と仁川の試合は、残念ながら競技レベルという面でも最高の試合ではなかった。
なぜなら、決勝戦開催を巡って二転三転したため、両チームとも最高のコンディションからはほど遠い状態だったからだ。
仁川はケガ人を多く抱えていた。一方の浦和も負傷者続出ではあったが、選手層の厚さがあるだけに仁川側ほどの影響はなかった。しかし、大型連休中の連戦の後だったので浦和の選手たちは疲労を蓄積させた状態で、通常の試合に比べて非常に動きが重そうに見えた。
浦和は4月27日の土曜日に第17節の広島戦を戦い、中5日の5月3日にセレッソ大阪ヤンマーレディースと対戦。そして中2日の5月6日にちふれASエルフェン埼玉戦があり、そこからさらに中3日で仁川戦を迎えていたのだ。
決勝戦までにしっかり開催の告知を行い、週末に決勝戦を設定できれば、1万人を超すサポーターが入ったかもしれないし、そこでコンディションの良い状態で内容のある試合ができれば浦和レディースの、あるいはWEリーグ全体の集客力はさらに上がるはずだ。
2024年秋に始まる公式の第1回女子クラブ選手権では、そうした理想的な運用ができるようにしてほしいものだ。宮澤ひなたが所属するマンチェスター・ユナイテッドが優勝したイングランドの女子FAカップ決勝は、ウェンブリー・スタジアムに7万6000人もの観客を集めて行われたという。
浦和レディースにとって、究極の目標はアジア女子クラブ選手権で埼玉スタジアムを満員にすることではないだろうか。