試合後のピッチは、サガン鳥栖のユニフォームを着たサポーターらに開放されていた。抽選で当たったのだろうか、記念写真を撮る人、持ってきたボールを蹴る人など、それぞれが思い思いの時間を笑顔で過ごしていた。
もちろん、勝利試合の直後だったことも大きい。川井健太監督がこのチームを率いて初めての連勝を手にしただけでなく、それを祝うかのように5つものゴールを決めたのだ。
5-2。そのピッチの上で、川崎フロンターレはサガン鳥栖とのアウェイゲームで次々と失点を喫した。最初のものは26分で、最後のものは75分。ハーフタイムを挟んではいるが、49分で5失点を許したことになる。
とはいえ、最初から鳥栖が試合を支配していたわけではない。鬼木達監督が「立ち上がりのボールの動かし方も含めて、非常にスムーズさはありました」と攻撃面での手応えを振り返るように、そんな感触の中で得たCKから高井幸大が先制点を奪う。先にスコアを動かしたことで、川崎は気持ち的に楽に試合を進められるかと思われた。前半13分のことである。
しかし、26分、37分、44分と立て続けに失点。2点差とされたことで、難しいゲームとしてしまう。それでも前半アディショナルタイムに家長昭博が1点差に迫るゴールを決めたことで後半の立て直しに期待が浮かんだが、その立ち上がりにサガン鳥栖が追加点を奪う。鳥栖に心を折られながら時間を過ごすこととなった。