■山口の堅守を土壇場でこじ開けた!
山口はここまでリーグ最少3位の9失点で乗り切っており、アウェイでは失点がわずか「3」だ。しかも、3試合連続のクリーンシートを達成している。
相手の手堅い守備を、仙台はいかに崩すのか。相手ゴールへ迫るよりも自陣ゴールで跳ね返す場面が続いた前半のアディショナルタイムに、ようやく決定的なシーンを作り出す。
MF長澤和輝のゴール前への斜めのパスを、FW中島元彦がCBの間へ潜り込んでヘディングで合わせた。背番号7の2試合ぶりのシーズン3得点目で、仙台は同点に追いついた。
同点に持ち込んだ仙台は後半、相手2トップの圧力を受けながらも、攻撃の回数を徐々に増やしていく。時間の経過とともに山口の守備ブロックが延びたことに加えて、MF相良竜之介や中島が相手を剥がしていったからだった。しかし、決定的なシーンで決め切れない、プレーの選択が最適でない、プレーの選択が遅い、といったことから2点目をあげられない。
仙台の森山監督は76分、84分、90分と交代カードを切る。これが、劇的なドラマを呼び込んだ。後半アディショナルタイムの90+1分、途中出場したばかりの19歳MF名願斗哉が得意のドリブルで仕掛けてPKを獲得する。これを途中出場のFW中山仁斗が決め、仙台は90+3分に前へ出る。もはやスコアは動かず、3試合ぶりの勝利をつかんだのだった。
試合後の森山監督は引分けも覚悟したことを明かしつつ、「最後の最後にみんなが執念を見せてくれて、ラストプレーで逆転できて。ホントにしびれましたね」と興奮を抑えるように話した。6ポイントマッチを制した仙台は、勝点を20として6位に浮上している。
次節は中2日で鹿児島ユナイテッドFCとのアウェイゲームだ。16位に位置するチームを確実に叩き、J1昇格戦線にしっかりと加わっていきたいところだろう。