■韓国を蹴落としたマレーシアの「勇気」
その好例が、グループリーグの最終戦で韓国と3-3で引き分け、グループ1位から蹴落としたマレーシアだ。ボール支配率22%。相手にパスを回され続けたが、6本のシュートを放ち、そのうち4本を枠内に飛ばして3点を奪った。孫興民(トットナム)や李康仁(パリSG)といった「ビッグネーム」に怖じず、90分間を果敢に戦い、後半のアディショナルタイムにPKで突き放されながら、その15分後に3-3とする同点ゴールを決めた。
彼らを見ていて浮かんだのは、「勇気」という言葉だった。相手がどんなに強豪で、ときにはどんなに大きくてもそれにひるまず、自分たちにできることを勇敢に推し進めていく。自陣で相手のプレスをかわすテンポの良いパス回しから、思い切ったランニングに合わせたカウンターアタック、ボランチやDFラインを押し上げての二次、三次の攻撃など、「勇気」あふれる攻撃は心を打った。
中央アジアのタジキスタンはこの大会初出場。若いチームだったが、ボールを持つと熱狂的な攻撃を仕掛ける勇敢そのもののプレーは感動的でさえあった。GKルスタム・ヤティモフの好セーブとともに、攻撃になると人数をかけてスピーディに相手ゴールに迫る攻撃はカタールのファンの心もつかんだ。