【光明が差す川崎の現在地。広島戦の”闘志”を浦和戦にどう繋げるか(2)】選手が試合後に口にした“引き分けの捉え方”。「あと少しのところ」と説明する勝利へのイメージの画像
逆転ゴールを決めた瞬間に喜びを爆発させる川崎フロンターレの選手 撮影:中地拓也

「2-1にできた瞬間があったので悔しさはあります。多くのピンチをカミ(上福元直人)が助けてくれましたし、広島さんなので楽に勝てる状況はないと思ってましたけど、勝点3を取れるチャンスはあったと思うので残念です」

 サンフレッチェ広島戦で川崎フロンターレが手にした引き分けの捉え方について家長昭博に聞くと、言葉にしたのは悔しさだった。先制されたものの、小林悠の歴史的ゴールで同点にする。そしてその小林の負傷交代でピッチに入った山田新がファーストタッチで逆転ゴールを決めてみせた。

 そのアシストをしたのが家長だ。遠野大弥のパスがずれたところ、相手選手の処理がうまく行かなかったことを見逃さずにうまく入れ替わって回収。丁寧なラストパスを23歳のストライカーに送った。

 起点となった遠野は、「正直、(山田)新に出したつもりだったんですけど、キーパーが出るか出ないかのうちにそこに走ってくれたアキさんに感謝してます」と、家長に感謝の気持ちを表した。自身については、「いいところチャレンジした結果が繋がった(笑)」と笑いながらおどけてみせたが、家長のポジショニングもそこに至るパスも、遠野の言うように前にチャレンジしたものだったから結果に結びついた。

 点が入ることによって「ここ最近にはなかった勝負強さ」をチームに感じたと話す遠野は、だからこそ、「勝ちきれなかったのは本当に悔しい」とも続けた。

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