■鬼木監督が選手に伝えたこと

 この試合で選手が口にしたのは、そろって悔しさだ。それを解消できるのは、ピッチの上だけ。次のリーグ戦である浦和レッズ戦は、その絶好の舞台になる。すでに完売御礼の本拠地で、反撃の狼煙を上げることになれるか。

「全員悔しい気持ちがある。その悔しさを5日後の試合にぶつける」

 脇坂が力強く口にしたこの言葉は、勝利に最大限近づいた引き分けを手にしたからこそ沸き上がるものだ。そして、チーム全員の思いを代弁している。

 この浦和戦を翌々日に控えた5月1日、山田は改めて「自分たちは一歩ずつ成長してるので、勝てはしませんでしたけど次に繋がるゲームはできたとみんな捉えてる」と自信を手にしていると語る。そして鬼木監督自身も、「足りなかったのは勝点3」と話し、「次のゲームに繋げていこう」と選手に伝えたことを明かしている。

 広島戦での引き分けをきっかけとして、川崎は上昇気流を作ることができるか。大満員の等々力で、バラバラを響かせる。

(取材・文/中地拓也)

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5